1920~50年代、アメリカの文芸誌、新聞に160篇をも超える文芸評論や書評を寄せ、〈アメリカにおける最上の女性批評家〉と称されたアイルランド出身の作家メアリー・コラム。
文芸復興運動の渦中にあったダブリンで出会い、文学の〈師〉と仰いだ詩人W・B・イェイツとの友情。英国から独立する契機ともなったイースター蜂起の首領たちとの親交。詩人E・ワイリーやH・クレイン、T・S・エリオットとの交流、パリ滞在で旧交を温めたジェイムズ・ジョイス一家との付き合い……〈人びとのささやかな夢〉を活写し、20世紀初頭のアイルランド文学史を裏書きする文学的自伝・回想録。本邦初訳。
片山廣子幻想翻訳集ケルティック・ファンタジー
大正期、アイルランド文芸復興運動に日本から連帯した翻訳家・松村みね子=片山廣子。
芥川や鴎外が激賞した美しき夢想の徒による、野蛮かつ荘厳な、精霊が息づく世界。
17歳の三島由紀夫が熱狂した、ケルト綺譚「かなしき女王」、1世紀経て、初めて完全再録。
●目次
ケルト綺譚「かなしき女王」 マクラオド作
海豹
女王スカーアの笑い
最後の晩餐
髪あかきダフウト
魚と蠅の祝日
漁師
精
約束
琴
浅瀬に洗う女
剣のうた
かなしき女王
参考資料●初出誌版(かなしき女王/女王スカーアの笑ひ/一年の夢/海豹/琴
夏目漱石「幻影の盾」 現代語訳
印度風綺譚 ベイン作
闇の精
スリヤカンタ王の恋
青いろの疾風
アイルランド民話
河童のクウさん
主人と家来
鴉、鷲、鱒とお婆さん
ジェミイの冒険
「燈火節」より
北極星
大へび小へび
蝙蝠の歴史
燈火節
古い伝説
四つの市
ミケル祭の聖者
イエスとペテロ
アラン島
王の玄関
鷹の井戸
過去となったアイルランド文学
編者解説
火の後に
イエーツ、ダンセイニ、ロレンスらの短篇 上田敏も称賛したグレゴリー夫人、タゴールの詩 大正期に広く読まれていた戯曲 アメリカ探偵小説 その広範な「松村みね子」名での訳業を網羅。解説:井村君江ほか