シラー戯曲傑作選 ドン・カルロス スペインの王子 「太陽の沈まぬ国」と謳われたフェリペ二世治下の盛期スペイン。王妃への秘密の恋に悩む王子ドン・カルロス、自由の国家の実現を目指すポーザ侯爵に、陰謀と策略をめぐらす宮廷の人々を交えて、友情劇、恋愛劇、政治劇が繰り広げられる。前期シラーの自由概念の到達点となった、全五幕の長大な歴史悲劇。息子が母親に恋する。世間のしきたりが、 自然の秩序が、ローマの法律が この恋を弾劾するだろう。僕の望むものは 父上の当然の権利と真っ向から対立する。 わかっているが、それでも好きなのだ。