不審人物 故人 自叙伝

激動の時代のバルカンで、諷刺と喜劇で鋭い批判精神をふるった作家ブラニスラヴ・ヌシッチ――官僚制度を揶揄するゴーゴリものの喜劇『不審人物』、姓とアイデンティティの関係を問う晩年作の喜劇『故人』の本邦初訳二篇と、作家の人生喜劇を綴った「自叙伝」を収録。

山の花環 小宇宙の光

イスラム教改宗者の盗伐という歴史的事件を材に、民衆の「哀しき人間の運命」を綴った、セルビア「第二の聖書」と目される一大詩篇「山の花環」。宇宙創造、人間の堕落と魂の救済を詠う「小宇宙の光」。 セルビア文学の金字塔となった、ニェゴシュの二大叙事詩。

イェレナ、いない女 他十三篇

目にするものはすべて詩であり、手に触れるものはすべて痛みである。 不正義、不条理に満ちた世界で人びとはいかに生きるか、歴史に翻弄される民族を見つめ、人類の希望を「橋」の詩学として語り続けた、ノーベル文学賞作家アンドリッチ。 短篇小説、散文詩、エッセイを収録した、精選作品集。 ■短篇小説 アリヤ・ジェルズレズの旅 蛇 石の上の女 一九二〇年の手紙 三人の少年 ジェバの橋 アスカと狼 イェレナ、いない女 ■散文詩 エクス・ポンド(黒海より) 不安 ■エッセイ スペインの現実と最初の一歩 コソボ史観の悲劇の主人公ニェゴシュ いかにして書物と文学の世界に入ったか