「河原者たア誰を指した。江戸随一の團十郎だ。てめえの眼は節穴だな。」
邦枝が誘(いざな)い、雪岱が開眼した江戸風情の世界。
八代目市川團十郎を軸に描く人間模様。
『おせん』に先立つ一年前の、記念碑的作品。
雪岱研究者の真田幸治により単行本初収録の挿絵70点を完全復刻し刊行。
小村雪岱挿絵集
物語に生命を吹き込んだ描線。その仕事を、新たに発掘した数多の作品をまじえて一望する。大正15年から没年の昭和15年までの雑誌掲載作品を中心に集成。「両国梶之介」(鈴木彦次郎)の原画など図版350点。
小村雪岱随筆集
大正から昭和初期にかけて活躍した装幀家、挿絵画家、舞台装置家である雪岱が書き留めていた、消えゆく江戸情緒の世界。『日本橋檜物町』に新たに発掘された44篇を加えた。