20世紀を生きた人々の様々な時間が呼応する、新たなる境地。半世紀の時を経て書き継がれた、表題作を含む中短篇集。 収録作 師の恩/夏の光/岬/読み違い ほか 本書収録の「師の恩」はnoteで公開しています。

不思議なシマ氏

生誕100年 全集単行本未収録の入手困難な5篇を収録。小沼文学の異貌をあらわす、変幻自在の娯楽作品集。【限定1000部】

お下げ髪の詩人

物語作者としての腕を存分に振るった、初期恋愛短篇を集成。解説・佐々木敦

春風コンビお手柄帖

生誕100年記念 小沼文学の新たな魅力を発見できるミステリ作品集。巻末エッセイ・北村 薫

骨なしオデュッセイア

幻想小説 あるいは 長篇散文詩 背骨をベッドに残して夢遊へと去った男、残された背骨に水をかけ骨栽培する女。詩と小説の融合。

悲体

40年前に消えた母を探し韓国へ来た男の物語は、それを書きつつある作者自身の記憶と次第に混じり合う……出生の秘密をめぐるミステリと私小説的メタフィクションを融合させた、著者晩年の問題作にして最大の実験長篇。初の書籍化。解説:本多正一 本多正一氏による解説をnoteで公開しています。

東十条の女

婚活体験を描く表題作。谷崎潤一郎と夏目漱石の知られざる関係、図書館員と作家の淡い交流、ほか計6篇の短編。「いまの文学」に飽き足らない人に贈る「ほんとうの文学」

筑紫の風

万葉二大歌人のめぐり逢い、歌がその哀しみを慰めた。九州・大宰府を舞台に、氏家柄を越えた交わりを追う、古代歴史小説。

火の後に

イエーツ、ダンセイニ、ロレンスらの短篇 上田敏も称賛したグレゴリー夫人、タゴールの詩 大正期に広く読まれていた戯曲 アメリカ探偵小説 その広範な「松村みね子」名での訳業を網羅。解説:井村君江ほか

不易の恋

謎多き女性・寿貞との悲恋を軸に、「風狂」の道に賭けた男(芭蕉)が、真の俳諧師として「新生」し、永眠するまでを描く歴史小説。

消えた弔電

書き下ろし、リアルミステリ 絶縁状態にあった末弟の急死により、美しい病身の若妻が遺されたことを知った家族。肉親に代わって弟の夢を叶えた女ではあったが、その言動は不可解だった……。 絶縁状態にあった末弟の急死により、美しい病身の若妻が遺されたことを知った家族。肉親に代わって弟の夢を叶えた女ではあったが、その言動は不可解だった……。

関東戎夷焼煮袋

故郷喪失の悲しみから、上方のソウルフード、うどん、ホルモン、お好み焼、土手焼、イカ焼を拵え、これを食すこと見えた宇宙。大坂(おおざか)の魂を取り戻す、ビルドゥングスロマン。

レンズの下の聖徳太子

1960年代、青年は「紙幣」によって「芸術」を超えた。 表題作の封印されていた処女小説ほか、「超私小説」の領域を拓いた10篇。初めての書籍収録。

メーゾン・ベルビウの猫

焦土の青空を、無数の金魚がおよぎゆく 焼け跡を生きる、博物学的精神とエロス。中井英夫・吉行淳之介の盟友であり、稲垣足穂・三島由紀夫・澁澤龍彦らの激賞を受けた幻の天才が、『椿實全作品』以降に編んだ未収録の秀作群に、未発表の遺稿ほかを増補した中短篇作品集。椿實没15年・初版一刷1000部限定ナンバー入り

焚書野郎

肥大する美意識の断片 5つのオブセッション。本を焼く男、眠り続ける女、父の日記を探る少年、放物線にこだわる少女、ロック史に殉じる愛

燈 火

文体の鬼、最後の連作短篇集 解説:佐伯一麦 みずみずしい日本語散文の極致。初書籍化。移りゆく現代の生活を研ぎ澄まされた文体で描く。

詩あきんど 其角

松尾芭蕉の門弟にして、洒脱で博覧強記の俳諧師・宝井其角。江戸の世に言葉で身を立てた男の生涯を追い、その句を味わう評伝小説。

ドン・キホーテの消息

敵を求め炎上する「民意」の行き着く先は? 蘇った「騎士」と、その行方を追う「探偵」。新世代SFの鬼才が人類と物語の未来を問う、21世紀型スペキュレイティヴ・フィクション。2000

酒場の風景

銀座の小さな酒場で語れる、男と女のままならぬ人間模様。短篇の名手が残した力作、四半世紀を経て初書籍化。グラスの中の真実。

おとぎ電車はどこへゆく

高度成長期からバブルを経て今日まで、仕事と家庭の間で揺れ動く人びとを円熟の筆致で描いた連作小説