死にたさの虫が鳴いている

妄想私小説
ある精神科医の、少年時代からの、インモラルな心の軌跡。

溝口病院の当直室から、駅の線路が見える。
ガタンガタンと通る列車が見える。ガタンガタンと、死にたさが鳴る。

ハハ、みんなの死にたさを
だれも だれしも
癒すことなんてできないから、きょうも私は
虚無に供物をささげているのです


著者: 1989年:東京生まれ。ほか非公開
装画:村祖俊一
判型 四六判上製
定価 本体2,400円+税(税込2,640円)
刊行年月 2023年5月
ISBN 978-4-86488-274-3

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