黄落の夕景

前著『冥土の土産』に続く終活の記録。追想とともに日々の雑感。

低反発枕草子

季おりおりの、ささやかな想いに随(したが)いて 東京・鍋屋横丁ひとり暮し。365日の寂しさと、一年の楽しさ。

題名はいらない

いろいろ考えてしまうのは、わるいクセかな。ふらふらと旅をし、だらだらと飲み、もやもやと考える。何もないようで何かある、コミマサエッセイの真髄。

旅に出たロバは

行ってみたいな、よその国 神保町から屋久島、トカラ列島、モンゴルの草原、メコンの大河。アジアのうちのどこか、消え行く時代と見えない未来を踏みしめる時間紀行。

森鴎外の『沙羅の木』を読む日

「つまりこのころ、鴎外は傍若無人だった」 訳詩と自らの創作詩を併録した、「林太郎」名の知られざる詩集『沙羅の木』を読み思ったこと。※「鴎」は正しくは正字

愛の棘

私とそのひととは磯をつたう二羽の「浜千鳥」であった。『海辺の生と死』に続く、単行本未収録のエッセイ集。戦が迫る島での恋、結婚と試煉。島尾敏雄との日々を南島の言葉ゆたかに回想する。

翻訳出版編集後記

早川書房での10年間の編集者生活 英米のエンターテインメント小説やノンフィクションを刊行し、出版界に新たな道を拓いた常盤新平が、体験を基に翻訳出版のあり方を問う、新発掘の傑作回想記。

歌が街を照らした時代

歌謡曲を劇中に導入するなど斬新の作品を多数演出し、作家でもあった久世光彦の「歌」にまつわる珠玉の随想群を集成。併録:対談・鼎談(×阿久 悠・小林亜星)+阿久悠による久世光彦追悼文

冥土の土産

81歳の小出版社主が、終活を念頭に半生を顧みながら 老いとむきあいながらも楽しさを忘れない日常を綴る。

行列の尻っ尾

「わたしの好きな場所…… 監獄と軍隊を除けば何処でも好きです」文学に生涯を捧げた私小説家の未刊行随筆89篇を初集成。

昭和の歌100

時代に選ばれたヒット曲とその秘話。表も裏も知り尽くした男の昭和歌謡史。 作り手と併走した名物芸能記者にして名プロデューサー、元レコード大賞審査委員長だった著者の回想。

マジカル・ヒストリー・ツアー

「歴史ミステリ」とは何か? 『時の娘』『薔薇の名前』『わたしの名は赤』などの名作をとおして、小説、宗教、美術が交差する「近代の謎」を読み解く。ミステリ作家による歴史ミステリの教室。書き下ろし。

記憶の道草

誕百年、百の随想。晩年の文業を初集成 仕事部屋の愛用品、移りゆく季節、友人との語らい…… 哲学のエスプリと豊かな詩心で綴る円熟のパンセ。

マスコミ漂流記

戦後闇市派の昭和30年代+戦後メディアの群雄の記録 TV草創期の舞台裏を克明に描いた自伝的エッセイ、初の書籍化。

江戸おんな歳時記

江戸期の女性は自由だった! 年齢、身分を問わず全国から選りすぐった俳句案内。 読売文学賞受賞作!

常識の路上

でもワイルドサイドを歩け。つか歩く。 3.11をはさんだ単行本未収録原稿を集成する、3年ぶりのエッセイ集。信じるべきものとはなにか…… 「コモンセンス」への怨恨。

本に語らせよ

2015年5月に死去した詩人が、単行本未収録エッセーを中心に厳選、改稿、構成した最後のメッセージ。

徴用日記その他

国家権力と対峙してきた作家ならでは「表現の自由」への思い 『生きている兵隊』発禁から戦後まで。「英霊よ安かれなどというのは、愚者の言葉ではないだろうか」

最後の祝宴

横隔膜のあたりに冷たい水のような笑いがにじんでくる 60年代からの単行本未収録作品を集成。初期15年間の全作を網羅した「作品ノート」と辛辣なユーモアあふれる50篇。「最後」の随筆集。解説:古屋美登里 カバー装画:蜷川有紀描きおろし。

谷崎潤一郎と好色論 日本文学の伝統

谷崎との親交を回想した「谷崎潤一郎」、「源氏物語」に対する日本人の受容の歴史を辿り、日本文学の伝統についての「好色論、ほか。解説:石川 肇